HATENAを紐解く -それでも闘う者達の物語-
おはおじ!
流行りませんね
先日リリースされた PENGUIN RESERCH の HATENA
皆さんもう聴かれましたか?
本当に良い曲ですよね
ただ曲の感想を覗いてみると
「ここの音キッッッッッッッモ!!!!!!!」
「堀晶のベースwwwwwww」
等々 あまり歌詞に対する言及が見受けられないんですよね
それもそのはず
この曲のタイアップ先である
ガンダムビルドダイバーズRe:RISE
を誰も見ていない!!!!!!!
ということで以下ではガンダムビルドダイバーズRe:RISEの紹介
加えて歌詞に込められた文脈の考察を行っていきます
もくじ
そもそもガンダムビルドダイバーズRe:RISEって何?
ガンダムは全人類が知っていると思うので割愛
その後ろに付いてるビルドダイバーズRe:RISEって何?の話をします
数あるガンダム作品の中には主にガンプラ(ガンダムのプラモデル)を用いて戦う
ビルドシリーズというのが存在していて
そして本作がコレに該当します
(ビルドシリーズはホビーアニメの側面が強く 他作品との繋がりが殆どないので初めて見るガンダムとしてオススメです)
その中でも "ダイバーズ" と名の付く作品はVRオンラインゲームを舞台とし
その仮想世界の中でガンプラを操縦して戦います
作品タイトルに "Re:" が付いていることからわかる通り
ビルドダイバーズRe:RISEはビルドダイバーズの続編なんですが
地続きながらもメインキャラは一新されているので
ビルドダイバーズRe:RISEから入っても置いてけぼりを食らうことはありません
とか言っても今から追いつくのは億劫だと思うので
以下にあらすじを書いていきます
ガンダムビルドダイバーズRe:RISEのあらすじ
HATENAの歌詞を紐解く上で欠かせないのが
そんなガンダムビルドダイバーズRe:RISEの主人公であるヒロトの境遇です
ということで昨年配信された1クール目(1〜13話)のあらすじを彼に視点を当てて紹介
- 本編開始以前
1話以前の彼はVRオンラインゲーム
「ガンプラバトル・ネクサスオンライン(略してGBN)」
にて女性ダイバーのイヴと行動を共にしていました
イヴはGBNに蓄積されたプレイヤーの思いが形となって現れた
いわば電子生命体です
作中の回想ではGBN内を歩き回るイヴとヒロトの微笑ましい様子が描かれます
しかしそんな2人に悲劇が
前作ガンダムビルドダイバーズにてGBNの存続をかけた戦闘が行われたのと同時刻
自己犠牲によりGBNのバグを一身に引き受けたイヴは バグによる自らの暴走を予見し ヒロトの眼前でその命を絶ってしまいます
その際にイヴが遺した「これからも、誰かのために頑張れるヒロトでいてね」という一言はヒロトの今後を大きく左右することになります
- 本編開始以降
それから2年後
当時の仲間と距離を置き
ヒロトはGBNでソロプレイを続けていました
そんな彼が新たな仲間と出会うところから本編がスタートします
初めは嫌々ながらも新たな仲間とミッションをこなしていくヒロトでしたが
その過程で協力し合い
またNPCたちと触れ合うことで次第に打ち解けていきます
しかしそんな彼に更なる悲劇が
実はヒロトたちがこなしていたミッションはゲーム内ではなく地球から遠く離れた惑星で "実際に" 発生していたもので
ヒロトたちが触れ合っていたのはNPCではなくその惑星に住まう異星人だったのです
敵との戦闘で命という名の多大な犠牲を出してしまった後
その事実に気付いたヒロトたちは酷く後悔することになります
加えてミッションの失敗が自分の死に直結するため恐怖も付き纏うわけで
自分の身を危険に晒して異星人を助けるか
見て見ぬふりをして異星人を見殺しにするか
2択を迫られたヒロトは
「これからも、誰かのために頑張れるヒロトでいてね」という例の一言を思い出し
異星人を助ける道を仲間と共に選ぶのでした
主人公の言動に基づいたHATENAの歌詞分析
さてここからが本題
HATENAの歌詞には偶然かはたまた必然か
そのヒロトを想起させるフレーズが散りばめられています
例えば本楽曲で多用される
何のために泣いたんだ?
何のために捨てたんだ?
というフレーズはイヴを失った際に泣き崩れたヒロト
そして自暴自棄になった彼が以前の仲間を捨てたことに重なります
作中でイヴ消失時の出来事を何度も思い返し
1人さまよう不安定なヒロトを体現する印象的なフレーズですね
- 1番Aメロ
半信半疑なら口を塞いで 他の正解を待って
答えることに怯える僕が 心底嫌でした
依然 前途 不透明 確証無くまま叫ぶフレーズ
自由と引き換えた猶予 いつまで持つのかな
こちらもやはりイヴ消失が密接に関わっています
実はヒロト イヴ消失後はGBNからしばらく距離を置いていました
まあ目の前で命が消えたらそうもなりますよね
けれど彼はGBN復帰後もこれと言ってイヴの手掛かりを探る素振りは見せず
八つ当たりのようにただただ無心でソロプレイを続ける
抜け殻となってしまいました
それはイヴを救える正解に対する一種の「逃げ」であり
上記の歌詞に繋がってくるわけです
- 1番サビ
何のために泣いたんだ? 何のために捨てたんだ?
問い掛け続けなきゃ 僕の意味って何ですか?
どうやって生きてたんだっけ?
どうやって生きてくんだっけ?
戦う事は疑う事 僕が僕を辞めないように
先程言及した「何のために〜」で始まるサビ
注目すべきはその最後のフレーズ「僕が僕を辞めないように」ですかね
イヴが遺した「これからも、誰かのために頑張れるヒロトでいてね」という言葉からも分かる通り
ヒロトは本来であれば誰かのために頑張れる人間でした
イヴの悲劇を通してそれが出来なくなってしまったわけですが
すなわち最後のフレーズで繰り返される「僕」のうち後者は
「本来の自分」「誰かのために頑張れる自分」を表していて
結論としてこのフレーズは「誰かのために頑張れる自分でいたい」というヒロトの意思が込められていると考察しました
- Cメロ
(それでも) 迷いながら
(それでも) 終わらせないことを選んだのは
僕だろう?僕だろう?
HATENAを語る上で欠かせないのがこのCメロ
それでも闘う者達へと近日公開第二章と方位磁針のセルフオマージュが入り混じるパートですね
ここだけ一種の願望なんですが堀江晶太は割とこの3曲を "文脈で" 選んだと思うんですよね
彼がHATENAの構想を練る際
PENGUIN RESERCHの既存曲の中だと上記の3曲が
ガンダムビルドダイバーズ Re:RISEのテーマソングにふさわしいと考えた的な
命を賭けてでも異星人を助ける道を選んだヒロトたちはまさに「それでも闘う者達」であり
また彼らは既に実質的なミッション全クリを果たしているため現在は「第二章」に突入しているという考え方ができ
方位磁針に至ってはもはやヒロトのキャラソンなんじゃ無いかというくらい歌詞がヒロトの境遇とマッチしています
はい
こうだったらいいな〜を書き連ねました
- ラスサビ
何のために泣いたんだ? 何のために捨てたんだ?
問い掛け続けなきゃ 僕の意味って何ですか?
どうやって生きてくんだっけ?
どうしたって生きてくんだよな
戦え 僕を辞めないように
いつか 僕を愛せるように
他サビと比較してみると
「どうやって生きてくんだっけ?」が「どうしたって生きてくんだよな」へと変化し
更に「いつか僕を愛せるように」という1フレーズが追加されています
「どうしたって生きてくんだよな」はヒロトの覚悟を表しているとして
「いつか僕を愛せるように」の方にかなり深い意味が込められていそうです
イヴを失ったヒロトは自暴自棄に陥ったことからも分かる通り 大きな自責の念に駆られています
「1つの命を救えなかった」という後悔に押し潰されそうになっている青年が自分を愛せるわけもありません
そんな中で「いつか僕を愛せるように」と歌っているということは
このフレーズにはヒロトの後悔を捨て去る
即ち「イヴを救う」という決意が秘められているのだと考えました
イヴが好きだった「誰かのために頑張れるヒロト」はヒロトがイヴのために頑張ることで完成するんです
まとめ
作詞の人
そこまで考えてないと
思うよ
(CV:小澤亜季)
とりあえず自分の中で考察が固まっている箇所をピックアップして
説明を行なってみました
(アウトロのキリフダは文脈じゃなくファンサービスだと思っている)
ぼくはこう言った歌詞考察を行うのが大好きなんですが
人に伝わるよう説明するのは初めてだったので
かなり拙い部分は多いと思います
ただこの記事を通してPENGUIN RESERCHのHATENAだけでなく
そのタイアップ先であるガンダムビルドダイバーズRe:RISEにも
興味を持ってもらえると幸いです
(勘違いしてる人多いですがガンダムをYouTubeで!というのが謳い文句の作品なので 会員登録とかも特に必要なくYouTubeで全話無料視聴できますよ)